美味しい『グアテマラ コバン』の秘密

グアテマラ北部、アルタ・ベラパス県コバン市サンタクルス・ベラパス。
この地域は、いまだ手つかずの熱帯雨林が残り、179種を超える鳥類が生息すると言われる、まさに“鳥の楽園”です。
「コバン」は先住民族ケクチ語で「雲」を意味し、熱帯低気圧の影響で一年を通して霧と雨が多い冷涼な土地として知られています。

この独特の気候が、深みのある甘さと香りを宿したコーヒーを育ててくれます。
とりわけ、地域の人々に“オーロラ”と親しみを込めて呼ばれる美しい鳥「クビワキヌバネドリ（オーロラ）」は、この地の象徴でもあり、オーロラ農園の名前の由来となっています。

自然豊かな土地、霧に包まれた冷涼な気候、そして地域と共に歩む農園。
これらの条件がそろうことで、コバンならではの清涼感と豊かな甘さを備えた味わいが生まれています。

グアテマラ・コパンの特徴

グアテマラは高品質なコーヒーを生む産地として有名ですが、その中でもコバンは独特です。
●気候
　一般的なグアテマラ：乾季と雨季が明瞭
　コバン：一年を通して湿度が高く、霧が多い特殊な冷涼地帯
●生態系
　一般：山岳地帯中心
　コバン：熱帯雨林と多様な固有種
●味わいの個性
　一般のグアテマラ：明るい酸、ナッツ感
　コバン：しっとりとした甘さ、フローラル、スパイスのニュアンス、厚みのあるボディ
特に今回のロットは、ブルボン・カツーラ・ベネシアをバランスよくブレンドした構成で、
しっかりとした飲みごたえと、冷涼地帯らしい透明感ある甘さが特徴です。

・黒糖やキャラメルを思わせる甘さ
・花のようなフローラル感
・ほのかなスパイスのニュアンス
・柔らかな酸と重厚感のあるコク
複雑で奥行きのある香りを持ちながら、飲み疲れしないクリーンさが魅力です。

オーロラ スタジオ プロジェクトについて

このコーヒーを取りまとめているのは、コバンに拠点を置くオーロラ農園です。
先住民族の多いこの地域では、所得格差や貧困などの社会的課題があります。
農園主アルドさんはこう語ります：
「グアテマラの人々は働き者です。でも活躍の機会が限られている。だからこそ、生産者に公平な価格を支払い、地域を支えたい。」
その思いから始まったのが**「オーロラ スタジオ プロジェクト」**です。
コバンから貧困をなくすために、売上の一部を
●水のフィルター
●ソーラーパネル
●かまどの設置
など、生産者の生活向上に必要な設備へ還元し続けています。
これまで支援の輪は50世帯を超え、地域の大切な力となっています。
「グアテマラを愛すること、人を助けること。」
この理念を、アルドさんと妻ルシアさんは子どもたちにも伝えています。
日々農家を訪れ、共に働き、寄り添う彼らの姿勢こそが、このプロジェクトの根幹です。